中小企業診断士一次からまた 勉強中

中小企業診断士試験の勉強過程をつづります

中小企業診断士二次試験で使う電卓にルート機能って必要ですか?

中小企業診断士二次試験で使う電卓にルート機能って必要ですか?

「中小企業診断士、電卓」で検索すると、たまに「ルート機能は必須」と書いているブログにぶつかることがある。

個人的には平成28年〜平成24年までの事例IV(財務会計)を解いてみてルート機能が欲しかったことが一度もないので、「はて?」と思っていた。まぁ12桁の電卓にはたいていルート機能がついているけれども。

古い(確認した限りでは、平成21年度)試験では標準偏差が出題されていたらしい。ここ数年の傾向を見た限りでは、あまり必要ないと思うけど。むしろ数字の計算はだいぶ軟化している気がする(それでも、私は苦手なんだけど)。

試験の直前になって、電卓を買った。というのも、カミさんに「電卓を貸して」と言ったら「今まで何やってたの?」と目を丸くされたのだ。カミさんによると、電卓の使い勝手でだいぶ時間を節約できるらしい。

カミさんに1個は借りたが、予備があった方がいいということなので1個買ってみることにした。私の人生にも電卓が1個くらいあってもいいだろう。

前は1個あったのだ。それはカシオのカード型電卓で、何十年か前に(おそらく中学生くらいの時に福岡で)購入したのだが壊れることなく動き続け、おかげで私は社会人になって一度も電卓を買ったことがない。電卓が進化したのはなんとなく知っているのだけれど、業務的にも電卓を使う部署に所属したことがないし、電卓を使うくらいなら絶対Excel使う派。

というわけで、今回あちこちのブログを参照した後、ヨドバシカメラ新宿西口マルチメディア本館で探してみた。webではシャープ系とカシオ系という分け方で情報を出しているところが多いけれど、シャープは売り場に置いてある製品数が少なかった。会社の状態が良くないからかなー。

結果、Canon HS–121Tを購入した。780円で安価。12桁、シンプルですっきりしたデザインが気に入った。

キヤノン HS-121T 3442B001

キヤノン HS-121T 3442B001

便利な点

購入してみて、取扱説明書を熟読して操作を確認した後、試験問題を解いてみた。

明確に役に立つと感じたのは「桁数指定スイッチ」と「四捨五入スイッチ」。「桁数2」「四捨五入」を指定しておけば計算結果が自動的に小数点以下三桁を四捨五入してくれる。中小企業診断士二次試験的にはほとんどの計算がこれで事足りる。これは便利だ。高級な機種では5桁まで指定できたり、切り捨て切り上げがあったりするけれど、この機種は2桁まで、四捨五入のみ、と割り切ってある。中小企業診断士二次試験的にはちょうどいい。ただし、2+5=7.00といった調子で整数計算も小数点以下2桁まで表示されるので、あらかじめ慣れておかないと整数計算を間違えてしまいそう。

定数計算機能も便利だ(後述)。操作方法を覚えておかないと使えないが、これがあれば、繰り返しの計算がラクにできるので、表の数値を素早く分析できる。電卓とExcelの差を縮めてくれるものだ。

「→(シフトキー)」で右端の数字を削除できるのも便利そう。いちいち打ち直さないでいいのは魅力的だ。

役立つ可能性があるのは税率設定。設問では法人税の設定が40%というのが一般的なので、40%指定しておけば何か役立つことがあるかもしれない。(追記、H29年度では結局使わなかった)

メモリ機能(RM)やグランドトータル機能(GT)は役に立つかもしれないけれど、慣れてないと難しそう。売上の金額を「M+」で記憶しておいて、利益率の計算とかに使い回せる、というくらいしか思いつかない。

打鍵感は個人的にはかなり快適。打ちやすい。

というわけで、コストパフォーマンス的にちょうどよくてオススメです。

定数計算機能を使った分析

事例4では同業他社との比較が頻出なんだけど、企業規模がビミョウに違うために数字の判断が難しい。でも定数計算機能を使えばラクに分析可能。以下の電卓計算例はCanon HS–121Tのもの。

B/S

  • クライアントと同業他社の総資本を比較して比率を出す。「クライアントの総資本 ÷ 同業他社の総資本」。これで総資本の倍率aが出せるので、B/Sの近くにメモする。同業他社の数字は業界の標準的な数値と考えられるので、理論上、B/Sの同業他社の数値はすべて、a倍すればクライアントの数値になる。
    f:id:mogami74:20171024064331j:plain
  • 「a × 同業他社の数値」を全部の数値に対してメモする。これが論理上のクライアントの標準値。定数計算機能が大活躍。
    eg) 1.3211 × 505 = 667
    180 = 238
    f:id:mogami74:20171024065124j:plain
  • 実際のクライアントの数値と理論上のクライアントの数値を比較する。大きく乖離しているところがあればそこが課題もしくは長所の可能性が高い。
    eg)固定負債は理論上の標準値では795程度だが、1807になっている。過大であることがわかる。

P/L

  • クライアントと同業他社の売上高を比較して比率を出す。「クライアントの売上高 ÷ 同業他社の売上高」。これで売上高の倍率aが出せるので、P/Lの近くにメモする。理論上、P/Lの同業他社の数値はすべて、a倍すればクライアントの数値になる。
    f:id:mogami74:20171024070426j:plain
  • eg) 3810 ÷ 2670 = 1.427
  • 「a × 同業他社の数値どれか一つ」を全部の数値に対してメモする。これが論理上のクライアントの標準値。定数計算機能が大活躍。
    eg)1.427 × 2130 = 3039
    540 = 770
    f:id:mogami74:20171024070611j:plain
  • 実際のクライアントの数値と理論上のクライアントの数値を比較する。大きく乖離しているところがあればそこが課題もしくは長所の可能性が高い。
    eg)売上総利益は理論上の標準値では770程度だが、484になっており少ない。一方販管費は485の標準値に対し270で効率が良い。そのことは営業利益を見てもわかる。285の標準値に対し214でありそれほどひどい乖離ではないため、販管費の効率が良いことがわかる。

まとめ

  • 電卓を使いこなせると事例4は明確に差が出る。
  • ルート機能はあってもなくてもそれほど気にならない(だいたい付いてる)
  • 定数計算機能はあった方がいい。そして使い方を練習しておくとよい。